10月10日防衛庁発表 久間長官会見概要 (09時51分~10時06分)
久間長官会見概要
1 発表事項
今日は閣議がございまして、北朝鮮の核実験の問題についての話がございました
が、その前に中国、韓国を訪問した総理からその旨の発言等がありました。閣議の中
身については官房長官がまとめて話しているところであって、個々の内容については
各閣僚からは発言は控えていただきたいということでありますので、控えさせていた
だきます。
2 質疑応答
Q: 閣議の中で大臣からはどのようなご報告をされたのでしょうか。
A: 私は閣議では発言しませんでしたが、閣議が終わった後の閣僚懇談会で「今度
の北朝鮮の核実験が事実だとすれば、これは容認できない由々しきことである」と、
特に北朝鮮が運搬手段としてのミサイルを開発して既にミサイルを持っていることを
考え合わせると、我が国の平和と安全上も由々しき問題であると認識しているし、そ
ういう意味でも「核実験の強行は断じて容認できない」ということを申し上げまし
た。防衛庁としては北朝鮮の核実験に対しては、私をヘッドとして対策本部を作っ
て、これから先も我が国の平和と安全の観点からこれに取り組んでいくという話をし
ました。それと同時に政府に置かれており、実際のとりまとめを文部科学大臣が実施
している放射能対策連絡会議がありますけれども、そこからの依頼を受けて放射能の
集塵のための航空機を飛ばしまして、それに協力することは予てから準備しておりま
した。今回、正式に対策連絡会議から要請がありましたので、3機ほど集塵のために
T-4を飛ばして放射能の調査を行っているということを申し上げました。
Q: 昨日の夜、今日の未明の段階でですが、既に文科省管轄の分析センターの方に
データの方は持ち込まれていると思うのですが、文科省管轄とはいえ、現段階で放射
能が含有されていたかどうかというのは、判明しているのでしょうか。
A: 防衛庁は集塵してサンプルといいますか、その資料を提供するけれどもセンタ
ーといいますか、そういったところで分析を行うものであり、我が庁で、あるいは集
塵したところで分析できないわけですから、それはそちらの結果を待つということだ
と思います。それもやはり放射能というのは自然放射能というのがありますから、今
までの日頃の放射能と比べて増えているか、増えていないのか等、そういったことも
大事なわけであり、そういった意味で同じ場所で調査をして欲しいという依頼がござ
いまして、集塵のためにT-4を飛ばして放射能の調査を実施したと報告を受けてい
ます。
Q: 分析にはどの位時間がかかりますか。
A: 私はそういった知識はあまりありませんから、向こうの方に聞いていただきた
いと思います。
Q: 核実験は通常複数回実施するものであるという言われ方もされていますが、北
朝鮮が昨日に引き続き、また更なる核実験を実施するという可能性について、防衛庁
はどのようにお考えになっているのでしょうか。
A: その辺はわかりません。複数回、そう立て続けに実施できるのかどうか、やは
り準備も必要でしょうから。
Q: 核実験については、中国、ロシア、当該の北朝鮮は核実験を実施したという宣
言なり容認をしているのですが、アメリカ、韓国、そして日本政府としては、本当に
核爆発を起こしているのかどうかということを含めた確認というのは、しているので
しょうか。
A: 断定はしていません。私達の発言も「事実とすれば」という頭置きを付けてい
るのは断定をしていないからです。まだ断定がしにくい、きちんと確認ができて皆様
方に「実験を行った」と言い難い状況なのです。
Q: その辺りは集塵機でサンプルを取ったら明確になるのでしょうか。
A: 集塵のための航空機でサンプルを採っても、本当に核実験を完全に行っていた
ら部外には出ないわけですから。これもサンプルを採って、反応が出なかったからと
いって「実験を行わなかった」とは結論づけができないわけです。そこはなかなか難
しいところです。あったというのは、わかりやすいのですけれども、無いことの証明
というのは難しいことです。
Q: 昨日の核実験に際して、防衛庁への第一報の入り方についてお聞きしたいので
すが、官邸であるとか、自民党の中川幹事長あたりには10時半頃には「核実験が行
われるようだ」とか、「行われたようだ」とか一報が入っているのですけれども、防
衛庁に第一報が来たのは11時20分ということで、50分もタイムラグがありま
す。この辺は少し時間がかかりすぎなのではないかという気がしますが、長官として
はどのようにお考えですか。
A: 様々な場所から様々な情報が入ってきて、「核実験を行ったのではないか」と
いう感じは皆様方も含めてあったと思うのですけれども、正式に情報が入ったのがそ
の頃であったということです。では他の報告が正式ではなかったのかといえば、公式
にオーソライズされたものではなかったので、11時20分の報告がオーソライズさ
れた情報として確認したということであり、対外的に聞かれたらその時間で報告した
というのが正しいということです。
Q: では逆に大臣が昨日、飛行機に乗られた時間と比較した場合に、正式にオーソ
ライズした段階の情報でなくても、例えば11時5分とか10分の段階であっても
「核実験が行われたかも知れない」という情報が大臣のお耳に入っていれば。
A: どちらにしてもオーソライズした情報でなければ、一緒でしょう。不確かな情
報を挙げて、例えばA、B、Cとかを挙げて、それらが正しいかどうかと言っても。
これがまた、戦闘状態と下令を待つかという状態なら話は別ですが、そうでなけれ
ば、むしろ正確にきちんと行われたということを確認した上で私に言う方が正しい在
り方だと思います。
Q: すると昨日の会見でも出ていましたけれども、微妙な時間帯ではありました
が、政務として大阪に発たれたということについては特に問題はなかったというよう
に思っているのでしょうか。
A: それは別にかまわないと思っています。
Q: 防衛庁として11時20分に情報が入っていながら、逆に気象庁に対して、問
合せをしているのが12時15分というのは、結構タイムラグがあるのですが。
A: それは気象庁が一番地震情報については正しいということです。正しい情報を
気象庁が他官庁に送ったということを確認するのが大事ですから、官邸からの報告が
嘘かも知れないと思って問合せをしているわけではないのです。そういう所は、あま
り詮索しない方が良いのです。問合せしたというのは官邸からの情報が間違っている
と思って再度確認したのではないかと言われると、そうはいきませんので。やはりP
波、S波の分析、その他実施している世界各国から送られてくるものを分析するの
は、ウィーンでやるわけだし、それに送るのは気象庁が送るわけでしょうからね。
だからそこにそういうデータをちゃんと送りましたということと、更に世界中がそう
いう態勢で動いているということが確認できるわけです。だから官邸からの報告がい
つ、それがあったということで断定した上で、次のまた、応用動作だと思えば。
Q: 1点だけ改めてお聞きしますけれど、8日から10日にもと言われていて、官
邸でも総理が不在になるということもあって、万一あった場合に備えて周到に準備は
されていたと聞いています。そういう中で、防衛庁も当然情報収集の強化は図ってい
て、昨日を迎えたわけですけれども、まさにこれから省に昇格しようという組織とし
て、やや当事者意識が、直接何かやることはないと思ったのかもしれませんけれど。
A: 8日にもというのは、これは確かにアメリカサイドはそのような話をしていま
した。しかしそれも不確かな情報です。結果として9日になったわけです。だからい
ろんな予測の話があるときに、それをどこまで24時間態勢をとるかということで
す。今から戦闘状態に入るという状態だったら24時間であろうが一週間であろう
が、それは緊張状態でやるだろうけれども、核実験をするかしないかは北朝鮮の恣意
的な判断でできるわけです。明日やりますといって、1年後ということだってあり得
るわけだし。
Q: そうすると核実験だけということであれば、今すぐに脅威というか、1時間、
2時間というスパンでということはないですね。
A: それで攻撃ということではないから、核攻撃があるということとは違いますか
ら。核実験をやるということで、核実験をして核を持っているということが判明し
て、それを小型核にしてミサイルに積む技術が開発されているとか、そしてまた日本
なら日本に対してそれを使うとか、そういう一連の流れを考えると由々しきことであ
って、これは日本の平和と安全にとっても断じて容認できないということであるけれ
ども、日本に対してすぐに核攻撃かということになるかというと、それはむしろ核の
実験よりも戦闘攻撃、例えば北朝鮮が韓国を攻撃したとか、その方がよりいろいろな
意味での周辺事態だとかの蓋然性が強くなってきます。
Q: 核実験の話に戻りますけれども、断定できないというのはやはり規模が小さい
というのが一番、爆発の規模が小さいというのが一番の根拠でしょうか。
A: どういう意味で言っているのか私自身としてあまり予断を許すわけにはいきま
せんので、まだ断定できていないという事実関係を言う以外にないのであります。何
がどうだというのは核実験かも知れないことなので、規模が小さいから核実験ではな
いのかと言われると、それはあるかもしれません。
Q: 先ほど「米韓日が確認をしたと言い切るのは、自信がないのでしょうね」とお
っしゃっていましたけれども、日本についてもその自信がない、あるいはその自信は
あるけれどもアメリカとか、韓国との足並みを揃えるとかどちらでしょうか。
A: 今日の国土交通大臣の発言でも、通常の地震波のような波ではないということ
は言えます。人工的な衝撃波ということは言えるけれども、これをもって核実験によ
る波だと断ずることはできないという表現でしたから。
Q: 政府としてはまだ、確実には自信がないということでしょうか。
A: 確認したいと思って、一生懸命作業しているのではないですか。
Q: 核実験を断定することと、制裁に踏み切ることというのは、要するに断定しな
ければ制裁に踏み切れないということでしょうか。
A: しかし北朝鮮当事者が、核実験を成功裏に実施したと言っているわけでしょ
う。それが事実とすれば由々しきことであり、我々としては断じて容認できないとい
う姿勢なのですから、それを前提にしてこれから先の対策は講じることの方がいいの
ではないでしょうか。断定できないから、黙っていていいというわけにはいかないで
しょう。そういう意図があり、しかも成功した可能性も非常に高いということが言え
るわけですから。ただそれを我々が事実と断定する材料を持っていないけれども、向
こうはそう言っているわけだから、こちらとしては成功したという前提に立って、対
策を講じる方が我が国の安全対策になってくるのではないでしょうか。
Q: 成功したという前提に立って対策を講じることと、実際に核実験が本当に成功
しているのか、それとも不十分なものだったのか、というような分析は平行して行わ
れるものだと思うのですが、実際にどのような核実験だったのかというようなこと
が、まだ核実験だったのかどうかという確認がしばらく時間がかかるような状況の中
で、正確な情報等がどの程度まで分析できるものなのか、その点についてはどうでし
ょうか。
A: それは私もわかりません。専門家ではないから、何によってどういうふうに分
析していくのか、それも各国がそして各機関が英知を出して色々な事実関係の把握に
努めるのではないでしょうか。今は一生懸命にそれをやっているのではないでしょう
か。だからあまり、余談をもってこうだから、こうだとは言わない方がいいと思いま
す。
Q: あまり想像したくないことなのですが、弾頭の小型化の問題は別問題として、
現段階でテポドン、ノドン、スカッド等々のミサイル発射の兆候というのは、今のと
ころ確認されているものはあるのでしょうか。
A: いずれにせよ、今の段階で防衛庁の方で配備が終わっていないわけですから。
Q: MDの。
A: MDもそうだし、PAC3についても一部の人が、米軍が沖縄へ持ち込むのも
反対しているわけでしょう。だからそういったことで配備されているわけではないの
で、ミサイルについて我々は今のところ術がない。だから早くしなければいけないと
いう、私の気持ちとしてはそういうものがありますけれども。だからアメリカ軍が配
備してくれるだけでも、早く配備した方がいいのです。ある閣僚が言っていました
が、沖縄が反対ならうちの選挙区に持ってきたらいいと。全国にミサイル防衛システ
ムを作ることは大事ですから。
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