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2002年07月12日

7月12日防衛庁発表 中谷長官会見・『統合運用に関する検討』中間報告について

【統合運用に関する検討】中間報告

1 発表事項
 報告をさせていただきます。かねてから統合運用に関する検討を進めており
まして、この目的は、自衛隊の任務を迅速かつ効果的に遂行するためには、各
自衛隊は統合的見地に立って有機的に運用されることが必要でございます。統
合運用の強化を推進する観点から、本年4月に統幕議長及び各幕僚長に対して
統合運用に関する検討を行うよう指示したところでありますが、この程、統幕
議長から検討実施のための態勢とその方向性についての報告を受けました。報
告の概要としましては、まず、検討の態勢として統合幕僚会議の下に検討チー
ムを編成し、これに各幕僚長が協力する形で検討を行ってまいります。また、
検討の方向としましては、自衛隊の運用は統合運用を基本とするとの考え方の
下、防衛庁長官の自衛隊の運用に関する指揮は統幕議長を通じて行う、自衛隊
に対する長官の命令は統幕議長が執行するなど、原則として統幕議長が3自衛
隊を代表して自衛隊の運用に関して長官を補佐をすることとし、そのための統
幕議長の権限と責任について検討するとともに、統幕と各幕の関係、統幕議長
を補佐する組織などについても検討することといたしております。また、通信
・電子の態勢、後方・補給の態勢など、統合運用に必要な基盤整備などについ
ても検討をしてまいります。なお、今回の報告は検討の中間段階のものであり
まして、今年末頃には検討成果について報告を受ける予定でありますが、成果
については法整備を含め改めて検討を行い、早期に実行できるものについては
来年以降実施していくことになると考えております。検討成果の内、中・長期
的課題については、防衛力の在り方検討の中で検討を行っていくことになると
考えております。
 この報告につきましては、後ほど担当者から改めてお知らせすることとし、
私からの報告は以上でございます。

2 質疑応答
Q:自衛隊に対する長官の命令は統幕議長が執行するということになれば、必
  ずそれは法律に反映されなければならないと思いますが、これについては
  どのような方針なのでしょうか。
A:私から統幕及び各幕に対して、どのような統合運用に関する在り方がある
  のかということで指示を出しておりまして、昨日、中間報告を受けたわけ
  ですが、最終的には本年末に検討成果を報告することになっております。
  防衛庁としましては、最終的な報告を受けた後、法整備を含め改めて検討
  を行い、判断してまいりたいと考えております。
Q:長官として、4月にご指示された立場として、今回の中間報告を受けてご
  感想というか、足りる部分と足りない部分があるかと思いますが、お考え
  をお聞かせいただけますか。
A:私としましては、自衛隊の運用について、現法制におきましては基本的に
  陸・海・空、それぞれの運用になっておりますが、これからの時代を考え
  ますと統合運用を行っていくことが必要であると考えております。就任後
  の昨年6・7月頃、防衛庁内で統合運用についての検討会も行ってきたわ
  けでございますが、9月から「防衛力の在り方検討会議」もスタートいた
  しました。こういう在り方検討を行っている段階で統合運用の強化につい
  て考察するということは、この検討を進めていく上においても有益であり
  ますし、かねてからの考えでありますが、統合運用の強化を推進するとい
  う観点から抜本的な検討を行う好機であると考えております。なぜ統合が
  必要かと申しますと、過去に阪神・淡路大震災や奥尻島の災害派遣、また、
  近年の不審船の事案、東チモールPKOの派遣などの事例を考えますと、
  やはり陸・海・空、それぞれの自衛隊の運用に関する防衛庁長官の補佐は
  現在、それぞれの幕僚長が一義的に責任を有して実施しておりますが、こ
  のような大規模災害、また、国連平和維持活動など二つ以上の自衛隊が同
  時に活動する機会が増えております。これらの機会は、今後ますます増加
  することが予想をされるわけで、このための将来における防衛庁長官に対
  する迅速かつ適切な助言を行い得る補佐態勢を検討していく必要があると
  考えており、この検討を指示しているところでございます。
Q:迅速かつ適切な助言という意味では、仮に統合されて運用を統幕がやるこ
  とになったとしても、内局の運用局と運用課の問題があるのですが、今回
  の発表の中では特に検討はされていないようですが、内局の運用部門と幕
  の運用部門との関係のあり方について、何か長官はお考えをお持ちでしょ
  うか。
A:内局の運用に関しては、もちろん機能しなければならない部分がございま
  す。第1に、現代戦における事態の進展というのは急激であり、情報技術
  の発達、交通手段や相手の武器技術等の進展もございます。また、不審船
  事案等の事態は小規模でも政治的インパクトが大きいし、このための事態
  の進展に応じた各自衛隊の的確な運用が求められます。第2に、3自衛隊
  がそれぞれ行動すること以上に、3自衛隊が共同対処、また、情報連絡を
  取ることがますます必要になってまいりまして、運用の統一を図ることは、
  自衛隊の行動をより的確に効果的にする上で必要であります。現在行って
  いる作業は、各幕、統幕として、いかに自衛隊として統合運用に強化を図
  れるかという観点でございまして、この自衛隊の範囲内で検討を行ってい
  るわけでございます。これを受けて、防衛庁としてどうするかということ
  については、年末の最終報告を受けて検討していきたいと考えております。
Q:統幕の統合運用部門と内局の運用局・運用課の関係などは、年末にかけて
  の議論の中で検討していくことになるのでしょうか。
A:これは別途判断をするわけでございますが、今回の検討の中身につきまし
  ては、いわゆる自衛隊の運用を強化するという観点で、各幕僚監部及び統
  幕としての機能があり方について検討しているということであります。
Q:統合運用することによって、相対的に自衛官の方の発言力が強まって、シ
  ビリアン・コントロールの問題が起こるのではないかという指摘がありま
  すが、この点はどのように考えられますか。
A:今回の統合運用に関する検討というものは、統合幕僚会議と各幕僚監部の
  それぞれの役割について検討することを主眼としております。後ほど説明
  があると思いますが、検討の結果として例えば、現在各幕僚長に割り当て
  られている権限を統幕に移すべきといった結論が出てくるものと考えてお
  りまして、制服組の権限強化を目的とした検討であるというご指摘はない
  わけでございますし、この検討の成果については、その後、施策の内容に
  応じてしかるべきプロセスを経て、別途判断をされるべきでございます。
  また、防衛庁として最終的な意思決定については防衛庁長官が行うもので
  ありまして、今回の検討自体、防衛庁長官の指示に基づいて行っており、
  シビリアン・コントロールの観点からは問題があるとは考えておりません。
Q:平成10年の法改正で、海上警備行動や災害派遣の時にも長官が必要と認
  めれば統幕議長が執行するというふうに変えていますけれども、そういっ
  た流れの中で今回の中間報告というのは、どのように位置付けられている
  のでしょうか。
A:私なりに自衛隊の動き等を見ておりまして、いざという時に統合部隊をつ
  くったり運用を行うといっても、日ごろから密接に訓練し、対処し、それ
  なりの態勢をとっていないと、いざという時に動きがとれないわけでござ
  います。従いまして、現状においてはその時に部隊を編成するというふう
  になっておりますが、今回、基本としてまとめております統合運用を基本
  とするという考え方、また、長官の自衛隊の運用に関する指揮というもの
  は統幕議長を通じて行い、自衛隊に対する長官の命令は統幕議長が執行す
  るなど、原則として統幕議長が3自衛隊を代表して自衛隊の運用に関して
  長官を補佐するという態勢については、有事への即応、また、緊急災害等
  に対応するという点において、国民に対する措置としては機能的かつ効果
  的に対応できるのではないかと考えております。
Q:中間報告についてというペーパーをいただいているのですけれども、この
  位置付けなのですが、統幕の方で検討されてきた内容がこの紙なのか、そ
  れとも別途中間報告されたものはあるのでしょうか。
A:中間報告につきましては、これは公表用に作成したものでございまして、
  報告の内容につきましては別の紙としてございます。更に報告に至るまで
  の検討等につきましては、それぞれの綿密な検討資料等は当然のことなが
  らございます。
Q:報告の内容というのは公表できないのでしょうか。
A:報告の内容につきましては、またブリーフィングでお知らせをさせていた
  だきます。
Q:統幕が中間報告したものと今回大臣が発表されたものというのは全く同じ
  ものなのか、それとも統幕が中間報告してきたものを受けて、一回内局と
  かの間で議論をして発表されているのか、どちらなのでしょうか。
A:統幕が中間報告をしたものに基づいて発表しております。
Q:内容に変更はないということですか。
A:はい。あくまでも私が検討を明示したのは、統合幕僚会議並びに陸海空各
  幕僚長に対して報告を命じておりまして、その作業の中間報告でございま
  す。
Q:大臣の目からご覧になって、中間報告の内容というのは大臣が考えられて
  いる統合運用のあり方と比較してどのように映っていますか。
A:この検討の方向と検討の態勢等につきましては、私としては了承をいたし
  ました。引き続き、最終的な報告に向けて検討するように指示をいたして
  おりまして、最終的な報告に基づいて防衛庁として判断を行ってまいりた
  いと思います。
Q:先ほど、長官が仰られた統幕議長を補佐する組織なのですけども、それが
  ないと統幕議長が命令を執行するといっても、各幕僚長に伝えてそれで終
  わりということにもなりかねず、実際どのように仕分けをするかとか補佐
  する組織についてはかなり明確な概念がないと難しいのではないかと思い
  ますが、その点はいかがお考えでしょうか。
A:この組織のあり方につきましては、まさにこれから検討を命じた内容でご
  ざいますが、この組織のあり方以外にも、補佐する組織、それから統幕と
  各幕の関係、統幕議長の責任と権限について、また、通信・電子や後方・
  補給の態勢など、統合運用に必要な基盤整備についても検討していくとい
  うことでありますので、中身につきましてはこれから本格的に検討作業が
  行われるということです。
Q:法改正の話もなのですけれども、人事面や予算面について詰めないといけ
  ないと思うのですが、ここには何も触れていないのですが、触れていない
  ところを見るとどこまで本気になってやられるのかなという気もするので
  すが、その点についてはいかがなのでしょうか。
A:今回受けた中間報告は、正にその方向と検討の態勢ということでございま
  す。内容につきましては、精力的に幅広く、また、奥深く本気で今後の自
  衛隊の運用のあり方についてあらゆる面で検討を行っていかなければなら
  ないと思っており、そういった面も含めて最終的な報告が今年の末でござ
  いますので、その作業をしてもらいたいと考えております。細部につきま
  しては担当者から説明致します。

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